創業100年を誇る老舗隠れ家旅館で過ごす 島崎藤村ゆかりの宿・中棚荘で温泉リトリート

小諸中棚荘りんごの湯

小諸には昔ながらの伝統や歴史を大切に、風情あるスポットが数多く存在します。
その中でも小諸を代表する温泉宿の1つ、中棚荘は創業100年を超える老舗温泉旅館。ここは明治の文豪・島崎藤村が愛した温泉宿でもあったそう。代表作『千曲川旅情のうた』の一節にも「岸近き宿」と中棚荘のことを詠っています。

藤村ゆかりの宿として文学好きの方にはもちろんのこと、レトロ空間で温泉をのんびり楽しみたい!という方に是非お勧めしたい場所。今回はそんな中棚荘をご紹介します。

目次

中棚荘はしなの鉄道・小諸駅から徒歩でもアクセスが出来る好立地にあります。
女性、1人旅、車なし、でも気軽に訪れる事ができるのがまた最高

中棚荘さんのHPにも「小諸駅からはお散歩気分で徒歩20分!」と写真付きで宿までのアクセスを紹介していますので、是非ご参考にしてみて下さい もちろん、駐車場もありますし、レンタカーやタクシーの利用でも良いかと!

小諸中棚荘正面玄関
中棚荘の正面玄関 老舗旅館の素敵な門構え

中棚荘は古き日本の古民家を丁寧に大切に維持されています。
建物そのものは古いですが、隅々まで手入れが行き届いているのがエントランス周辺からも見受けられます。夕暮れ時や夜間にはこの入り口にある提灯がライトアップされ、また違った雰囲気を演出。

老舗温泉旅館というと宿泊客専用にしている宿が多い中、中棚荘は日帰り入浴利用も可能です。
また、たっぷり館内で過ごす「日帰り休憩プラン」(デイユース)という日帰りリトリート向きのプランも用意されています。

昼の利用の場合、11:00〜15:00の4時間で4,840円(税込)。
温泉、旅館の個室利用、会席料理ランチが含まれているとってもお得なプランです!

日帰り入浴のみの利用の場合、大人1,200円(税込)で利用ができますよ。

時間に余裕がある方は宿泊もお勧めですが、温泉のみの利用、デイユースでの利用などご自身の都合に合わせやすいスポットだと思います。

小諸中棚荘裏玄関
中棚荘裏玄関の様子

島崎藤村が中棚荘のことを「新鮮にして簡素」と表現しているように、現在もそのコンセプトをベースに居心地の良い空間作りを努めています。シンプルで清潔感のある宿、そして古さを美しいと感じさせる宿だなと思いました。

お写真で宿の様子をお伝えして参ります

古き良きものがそのまま残る館内

小諸中棚荘入り口付近
フロント近くにある売店 宿オリジナル商品や信州らしいお土産が揃っています
小諸中棚荘館内の様子
ラウンジの様子 奥には島崎藤村の書籍や詩が並ぶ
小諸中棚荘廊下
古いけれど清潔感ある館内・廊下の様子
小諸中棚荘内回廊の様子
館内の廊下はギャラリーのような写真や絵が飾られている
小諸中棚荘館内空間
隅々まで行き届いた清潔な館内です

浴場まで歩きながら楽しめる空間

小諸中棚荘外廊下
浴場は「新鮮」なお湯を提供すべく、源泉の近くに作られたので高台までしばらく歩きます
小諸中棚荘浴場までの雰囲気
浴場までの道なり どこを撮っても絵になります
小諸中棚荘女湯
階段を登った高台に温泉入口があります 手前に男湯、奥が女湯

源泉掛け流し・りんご風呂

小諸中棚荘りんごの湯
中棚荘自慢の初恋りんご風呂

10月から春まで内湯ではりんご風呂が楽しめます。「初恋りんご風呂」という名称で、藤村の詩『初恋』をモチーフに長年親しまれているお風呂。お風呂に浸かるとりんごの甘い香りが漂い、気分もあがる!たくさんの林檎に囲まれて心身を温めほぐす、贅沢なひと時。宿の方に聞いたのですが、使用した林檎はその後、宿が飼育している動物の餌にしたり畑の肥料に使っているようですよ。

そしてりんご風呂の元祖はここ、中棚荘なんだとか。

外湯には庭園風の露天・岩風呂があります。森林浴しながら浸かるお風呂、そこまで熱湯ではないのでのんびりゆったり季節の空気を浴びながら過ごせます。

源泉掛け流しでアルカリ性単純温泉の「美肌の湯」。泉質よく、飲泉もできます。
温泉の効能は以下の通り☟

効能(浴用)

神経痛・筋肉痛・関節痛・五十肩・運動麻痺・関節のこわばり・うちみ・くじき・慢性消化器病・痔疾・冷え症・病後回復期・疲労回復・健康増進など。

効能(飲用)

中棚荘の温泉は胃の粘膜に弱い刺激を与える性質があり、慢性胃腸病、慢性便秘、リューマチ、腰痛、関節・筋肉障害、神経障害などに効果があります。

中棚荘公式HPより
小諸中棚荘お風呂の様子
浴室にある洗面 コンパクトですが快適な空間

館内もそうですが、ここ浴室でも木がふんだんに使われ、天然の香りを感じる気持ちの良い空間でした。
そして脱衣所はかつての大名風呂を彷彿とさせる畳敷きになっており、珍しい。脱衣所から浴場が見渡せる設計になっており、これまで様々な信州の温泉に入ってきましたが、こうした造りに私は出会ったことがなく、「新鮮」でした。

たっぷり湯を堪能した後は館内の休憩スペースでぼーっとしたり、余韻に浸りたいですね。
ラウンジで藤村の書物を読んでみたり、窓の外に広がる小諸の自然を見つめながら思いに耽るのも良い…
なんだか明治時代にタイムスリップできそうな空間。

小諸中棚荘ラウンジスペース
お風呂上がりはラウンジでのんびりまったり過ごす
小諸中棚荘ラウンジカウンター
バーカウンターからの様子 ソフトクリームやサイフォン式珈琲を味わえる

こちらは「ラウンジ新鮮」という喫茶で、こだわりの飲み物を提供してくれます☟

「ラウンジ新鮮」(7:00~21:00)ではサイフォン方式にこだわり、温泉水で入れる香り高いコーヒーのほか、庭でとれる完熟の梅を使った梅ジュースなど季節に応じた飲み物、お茶菓子などをご用意しております。

中棚荘公式HPより
小諸中棚荘藤村ライブラリー
藤村ライブラリー 冬の間は薪ストーブで暖まりながら過ごせます

中棚荘の敷地内には「こもれびテラス」という場が設けられており、自然を感じながらのんびり過ごせる場所があります。
気持ちの良い季節には温泉で温まった体をこちらのテラスで涼んでも気持ちが良さそうです。

テラス横にある土蔵は小諸城址「懐古園」の土蔵を移築してきたもので、中に入ると書籍が用意されており、ここでくつろぎの時間を過ごせます(※テラスは日帰り/食事利用者にも開放、土蔵の中は宿泊者のみ利用可)。

小諸中棚荘土蔵外観
懐古園から移築してきた土蔵
小諸中棚荘土蔵の中
土蔵の中には書籍が多数取り揃えられる ここで時間を忘れて読書に耽るのも◎

はりこし亭へ

中棚荘の敷地にはもう1つ、素敵な場所があります。
「地産地消の旬のもの、ふるさとの味、おふくろの味」をモットーに信州らしい食事が味わえる”はりこし亭”。
店名はやはり藤村の「千曲川のスケッチ」の一節からきているそうです。こちらの建物も北国街道沿いにあった旧家を移築したもので歴史を感じられる雰囲気抜群なお店です。

お祝い事やブライダルにも使われる由緒ある素敵なお食事処。
ご自身のリトリート旅に取り入れ、特別な時間をこちらで過ごしてみるのも素敵です

小諸中棚荘はりこし亭
平成14年元日に開業したはりこし亭

中棚荘は宿泊でもデイユースでも、そして日帰り入浴のみの利用でも対応しており、リトリートプランが組みやすいスポットです。
小諸ならではの古(いにしえ)を感じる建物、文学、美味しい信州料理、高い泉質を誇る温泉…と魅力が詰まっています。

そして宿の周辺は自然に囲まれ、散策をしても気持ちの良い時間を過ごせるので少しお散歩に出てみるのも良いかと思います。

小諸中棚荘宿泊
中棚荘 宿泊棟の外観
小諸中棚荘周辺の様子
宿は自然を感じやすい木々に囲まれているので周辺散策も◎
小諸中棚荘周辺環境
早朝でも夕方でも散策が気持ちいい環境

そして中棚荘が手掛けるワイナリー、「ジオヒルズワイナリー」が中棚荘からタクシーで10分ほどでアクセスできます。
小諸はワイナリーも豊富でワイン文化も育んでいます。もしワインに興味があれば、少し足を運んで訪れてみてはいかがでしょう?
素晴らしい景色を眺めながらワインテイスティングや軽食を頂けますよ。

小諸ジオヒルズワイナリー
360度パノラマを誇るジオヒルズワイナリー
小諸ジオヒルズワイナリーメニュー
軽食、カフェ利用ができるワイナリー内のメニュー
小諸GioHillsワイナリー外観
週末・祝日は夜のワイナリーツアー「ナイトワイナリー」を開催しているそう

以上、小諸のリト旅にお勧めの中棚荘のご紹介でした

※掲載情報は2024年3月時点の内容となります。

中棚荘(なかだなそう)
住所:小諸市古城区中棚乙1210
TEL: 0267-22-1511
宿泊:チェックイン14:00、チェックアウト11:00
HP:https://nakadanasou.com/
https://www.instagram.com/nakadanasou/

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この記事を書いた人

リエゾンのアバター リエゾン かるみこリトリート代表

身と心を軽くするリトリート「かるみこ」代表。30代から定期的にリトリート活動を経て自分らしい快適な生き方を追求してきたリトリート研究人。
リエゾン=liaisonとは「結びつき」や「連絡・連携」を意味し、かるみこ(軽井沢・御代田・小諸)におけるリトリートの場と機会を個人と結び、伝達役として、また自身の本名が「りえ」である事からこの名称で活動。
2023年秋に神奈川県横浜市から家族と共に長野県御代田町に移住。

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